2025/05/21 15:13
■ヒマラヤ山脈の高地に位置しています
杏の原産地「フンザ」はヒマラヤ山脈の標高2500メートルの高地にあります。近年カラコムハイウエイが出来て便利になったとはいえ、いまでも昔ながらの生活を続けています。
■財産の基準は「杏の木の数」
春は杏モモの花で、谷が薄いピンク色に染まります。その日だまりの中で畑仕事をしたり家畜を連れて歩く姿をよく見かけます。百歳以上と思われる老人が多いこの地にはいまでも「痴呆」という、言葉がないと言います。人口は35,000人。自給自足の質素な生活を営みよく働きます。
ウルタル峰の山頂の氷河の水が流れ込み、それをすべての生活用水に使用しています。この水には鉄分、フッ素、カルシウムが多く含まれています。また、それぞれの家庭には必ず杏やりんごの木があり、それは貴重な財産なのです。この国では、その人の財産の基準がお金ではなくて、「杏の木の数」で表されます。食物の中で最も貴重なものは杏仁です。
■一本の木からコップ半分しか採れない「ギリ」
杏は、天日で干して保存食にしたり、杏の種の中にある杏仁を石ですりつぶし、とろ火で熱してこね続け「ギリ」と呼ばれる油を採ります。料理や薬として使われるこの杏仁油は、一本の木からコップ半分しか採れない大変貴重なものです。「フンザ」の長老はこれが長寿の秘訣だと語ります。
自然と共に生き動物や植物たちと暮らし、大地の恩恵を余すところなく活用しています。また、伝統・文化を大切にし、一生懸命働きます。これを見ると、私たちの現代社会の生活を一度、振り返らざるを得ません。
■長寿と健康で世界的に有名な「フンザ」
その驚異的な長寿と健康で世界的に有名な「フンザ」は、ガン患者が一人もいないことでも知られています。